第二の衝撃

石ノ森章太郎





いや石森章太郎の方がオールドファンには馴染みがあるのかな




衝撃的だ


といっても今さら初めて読んだわけじゃない


009や古事記を漫画化したものを小学生の頃愛読してた


仮面ライダーはドラマが嫌いだったから敬遠してたけど(複眼が嫌いだったし、特撮に興味が無かった)



Hotelって漫画があって
実はタダで一巻は読めるからって前からiBooksに一応入れといたんだけどちゃんと読んでなかった

パラパラってしてただけだ
絵うまいな〜ぐらいに

今でもタダでダウンロード出来るのかな?
知らないけどタダだったら読んでほしい



009も面白かったけれど
俺はこっちの方が億倍いい作品だと感じた




話に深みがある
久しぶりに、本当に久しぶりに深みがあると感じた

深みを感じさせる、の方が近いか?




どうやら共同原作者、ブレーンが居たようだ

その人の功績もあるんだろうか




それにしても面白い


一巻収録の話をすれば


俺は「大安吉日」「モンスターズ・クリスマス」「雪螢」「ビタミン足りてる?」「DO NOT DISTURB」に冷や汗かくほど衝撃を受けた。「女優」もいい感じ。


特に「大安吉日」「雪螢」はいい


形容しがたい人間観が出ている

皮肉もあるが、それだけじゃない
決してハートフルではない
女性のヌードに感じた突破口
夜の世界にハードボイルドを感じたころ



それは実は俺にとっては久しい感覚だった


だから、どうしてこんなものを書けるのか理解できなかったわけじゃない

むしろその逆だ


つまり俺が一番俺としての自我が発達していたころの、こんなこと言うのは嫌だけど自分のことを天才だと思えていたころの感覚を、本当に久しぶりに思い出したのだ


ああ、俺もこういう感性だったなって


だから新しい衝撃ではなくて
ある過去と現在が一つになった感覚だ

個人的なのかもしれないけれど
俺はこれはそうではないのではないかと思っている





心よりさらに腹の方にしまいこんでいた感性

今なら思うが、確かに当時の俺は感性だけなら一丁前にイイ線行っていた気がする


生意気言ってしまった




追記

初期高橋留美子の絵が石森章太郎の影響受けてるのは一目瞭然なんだけど、そこからぐんぐん変わっていったあの絵柄は何なんだろうな


お話自体は石森風の絵の頃の方が面白いのよね

古き良き漫画の心を持っているというか
それこそ形容しがたい、当時の漫画のニオイ



あの人はプロ中のプロだから
いつまでもお下りの世界観じゃいけないと思っただろうし、それが出来る才能があった。
それにみんなにとって明るくて楽しいものを書こうとしてた。その中でどんどんズレてちょっと軽薄に寄りすぎて行ってしまった感はあるんだよね…


心より頭が働きすぎてしまった


それは今の俺も全く同じ状況なんけど…



軽薄なことこの上なし