ジャンプよんで王道漫画を考える

久しぶりにジャンプ立ち読みしたけど、今のジャンプはかつてジャンプ王国を築いた作品たちにあった「無心っぷり」が薄いな。そしてその為のフリすら出来てない。バトル物もギャグも何もかもあれは「日常系」に分類した方が正しいかも。

スラムダンクは試合中の描写がやたら無心でカッコよかった。試合外での諸々のストーリーはそれを最大限映えさせるためのフリだった。三井は誰よりも感動的なシュート決めるためにグレてたんだぞ(というか、感動的なシュートを決めさせるために井上雄彦がグレさせてたと言うのが正しい)

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(流川、無心)

ONE PIECEだってそう。設定で色々としがらみ作っといて最後にルフィがひたすら無心で敵殴って同時にしがらみもぶっ飛ばすのがカッコよかったわけで。

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(クロコダイルと共にアラバスタのしがらみをぶっ飛ばすルフィ)

成長したNARUTOの戦闘が面白くないのは無心じゃなくて色々考えながら戦ってるから。あれは戦闘が「良い話」を完結させるためのものに成り下がったからそうなったんだけど(だったら長々と戦闘なんて書く必要性は無いと思うが、まぁ作者の頭が悪いからそこら辺メリハリつかんのだろな…)。


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(この台詞のために岸本に殺されたネジ)


ONE PIECEが本気で面白くなくなったのはスリラーパークからだと思うんだけど、それはあそこでのしがらみが「自分たちの影を取り戻せるか」とかいう何の魅力も無いチンケなもんだったからじゃん。それまでは世界政府みたいなデカいもんぶっ飛ばしてたのに、あれは一気にスケールダウンしたよ

その後の戦争編とか根本的にルフィは何もぶっ飛ばしてないし、再集結の時には既にルフィ達が強くなり過ぎて戦闘に余裕出てきてしまい、「無心な描写」が無くなった。あれ見て「ああもう完全にオワコンだな」と思った。



(余談だけど、ONE PIECEは再集結以降読んでないけどたぶん尾田は勘が良いからギリギリかつての無心性も残っててまだ面白い方ではあるんだと思う。
けどドフラミンゴがやたらと出て来てるみたいだけど、あれは敵キャラとしては最悪だぞ…アイツは頭のキレるキャラっぽいけど、そういうのとの闘いで主人公を無心に描写するのは難しいから漫画の質が落ちる…最後はぶっ飛ばすだろうからその時は気持ち良いと思うけど、それまで無心な描写が出来ないからダレる…いよいよ完全に崩壊しそうだ。同じ理由でローって奴も良くないな、あれが敵なのか味方なのかも知らないけど)

(もう一つ余談、同じように強さインフレしたドラゴボールが最後までギリギリ面白いのは、あれは土台がギャグ漫画だから。最強になっても次の日に新たな最強が出てくるし、それが許される世界観だから。ONE PIECEはむせるほどドラマ作りこむのにドラゴボールと同じことしてちゃアカンでしょ。戦争後に一味を強化して再集結させたのは完全に愚策。自分の漫画の肝を分かってなかったんだな…)



話が何故かONE PIECEに偏ってしまったけど、要するに「王道漫画の鉄則」は「何かを打ち破る無心な描写、そしてその何か=フリ」。てか「ツッコミとボケ」だよね。

「ツッコミとボケ」には適度なバランスがある。あくまでボケはツッコミの為のものなんだから、あんま力入れて凝って膨らまして練り込んで作っちゃ本末転倒。

そしてツッコミは無心な感じでかっちょよくキメる!
王道漫画ってのはそういうもんです


「ツッコミとボケ」なんて作話の超超超基本的なことで周知のものだと思うんだけど、今のジャンプは漫画家編集者共にそれが分からなくなっているみたいで、思考停止っぷりを垣間見るなぁ( -ω-)




追記
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これは一体なんなの?気になる (;゚∀゚)=3 
やっぱまだ面白い方なんだろな